サイエンストーク「北極海にひろがるプラスチック汚染」を開催します!(6月15日、高校生以上を推奨)

2024年5月7日

国立極地研究所は、北極域研究加速プロジェクト(ArCS II)の一環として、2024年度に北極のイベントシリーズ「ようこそ、北極へ!」を開催します。6月は、日本海洋学会教育問題研究会の「海のサイエンスカフェ」とのコラボレーションで、研究者によるサイエンストークを実施します。事前申し込みの上、ぜひご参加ください。

ArCS II イベントシリーズ「ようこそ、北極へ!」
サイエンストーク「北極海にひろがるプラスチック汚染」

私たちの生活に欠かせないプラスチック。今、世界の海に漂うプラスチックごみが問題になっています。粒の直径が5mm以下のものをマイクロプラスチックと呼びますが、北極海にも大量のマイクロプラスチックが流れ込んでいます。これらのマイクロプラスチックがどこからどのようにして運ばれてきたのか、最終的にどこに溜まっていくのか、まだ分からないことがたくさんあります。このサイエンストークで、研究者と一緒にマイクロプラスチックがどこに運ばれていくのかについて考えてみましょう。

日時:2024年6月15日(土)14:00〜16:00
内容:北極海に流れ込むマイクロプラスチックが、どこから来てどこに運ばれていくのかをみんなで考えます
講師:池上 隆仁(海洋研究開発機構)
ファシリテーター:上野 洋路(北海道大学)
会場:談話室サザンクロス(国立極地研究所 南極・北極科学館隣り)
対象:興味のある方はどなたでも(高校生以上を推奨)
定員:先着24名(事前申し込み制)
参加料:無料 ※飲み物の持ち込みが可能です。各自ご持参ください。
主催:国立極地研究所、日本海洋学会教育問題研究会
申込:2024年5月7日(火)12:00より、参加申込フォームにてお申し込み受け付けを開始します

講師よりメッセージ

池上 隆仁
(いけのうえ・たかひと)

私の専門は、生物海洋学です。これまでプランクトン、放射性微粒子、マイクロプラスチックなど、海の中の1mmよりも小さな粒子の量の分布や時間的変化について研究してきました。

岩手県盛岡市に生まれ、子供時代は主に埼玉県の武蔵嵐山という自然の豊かなところで育った私は、昆虫採集や化石・鉱物、プラネタリウムの観賞が好きな子供でした。その後、福岡県に引っ越し、大学に入学してからは、放散虫という鉱物質の骨格を持つプランクトンが大昔から海にいて、その骨格が化石となり、海底にたくさん存在することを知りました。放散虫は子供時代に好きだったものを合体させたような存在でしたので、格好の研究対象となり、研究のフィールドも海となりました。
北極海の研究を始めたのは、主に冒険心からでした。しかし、南極海よりも先に北極海を研究したいと思ったのは、子供のころに何度も岩手県に遊びに行った楽しい思い出があり、自然と北に向かいたい気持ちがあったためです。宮沢賢治の銀河鉄道の夜は、北十字から始まりますので、やはり最初に北極という気持ちがありました。

私の研究は放散虫というプランクトンから始まり、現在は、放射性物質やマイクロプラスチックへと範囲を広げてきました。私が研究をしていて面白いと思っているのは、新たな研究を始める際にそれまでの研究の知識が生かされ、海洋の物質循環という枠の中で必ずつながっていることです。みなさんと海とのつながりは何ですか。イベントで語り合えるのを楽しみにしています。

ファシリテーターよりメッセージ

上野 洋路
(うえの・ひろみち)

専門は海洋物理学で、北極を中心に研究しています。2013年からは日本海洋学会で「海のサイエンスカフェ」を担当しています。この「カフェ」では、情報を伝達するだけでなく、ぜひ皆さんの御意見をうかがいたいです。よろしくお願いします。